2009年 ACL(アジア チャンピオンズリーグ)

アジアナンバーワンのサッカークラブを決めるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)。2009年 からその大会方式が大きく変わります。
昨年のACL2007は日本の浦和レッズが優勝し、それまで低かった大会の認知度を大きく高めま した。自分も現地観戦し、浦和レッズがアジアナンバーワンになった瞬間に立ち会うことができまし た。
今年の2008年までの方式では日本は2枠。ただし2007年に浦和レッズが優勝したことにより、 3チーム(鹿島アントラーズ、ガンバ大阪、浦和レッズ)が参加となる(前年度優勝クラブはシード 参加)。
しかし来年のACL2009からは日本の参加クラブは2枠から4枠に増加。また、前年度優勝クラ ブのシード権はなくなる。
全体で見てもACL2008までの29クラブから2009では32クラブと増加、8つのグループ リーグ、上位2クラブがノックアウトステージへ進出、ベスト16はグループリーグ1位クラブのホ ームで行う一発勝負(アウェーゴールの有無は不明だがたぶん無い)。準々決勝から準決勝をアウェ ーゴール方式、決勝戦のみ中立地による一発勝負へと大きく変わり、基本的な大会方式はUEFAチ ャンピオンズリーグと同じものとなることになる。
日本だけでなく各国の出場枠も変わり、2009年からはACLの実績や参加チーム数、リーグ運営 の評価などにより各国で差がでるようになった。
東地区では日本4枠、韓国4枠、中国4枠、オーストラリア2枠、インドネシア1枠、西地区はサウ ジアラビア4枠、UAE4枠、イラン4枠、ヨルダン1枠、クウェート1枠、インド1枠。
他に本選出場権をかけたプレーオフへは東地区シンガポール、タイ、ベトナムから1チームずつと前 年度AFCカップ東地区最上位クラブが1枠を争い、西地区ではシリア、ウズベキスタン、カタール と前年度AFCカップ西地区最上位クラブが同様に1枠を争う。
なお、日本からの4クラブは前年のリーグ1〜3位と天皇杯優勝クラブの4チームが参加となる。 今まで(2008まで)の天皇杯枠は、例えばACL2008の出場権は2006年度天皇杯優勝ク ラブ(浦和レッズ)だった(2007年1月1日に決勝戦が行われ2008年の前年度優勝という扱 いなんだと思う)。しかしACL2009では、ACLの開催される年の元日に決勝戦が行われる天 皇杯の優勝チームとなる。つまり2008年までの方式であれば2007年度天皇杯優勝の鹿島アン トラーズがACL2009への出場権を確保したことになるが、新方式では2009年1月1日に決 勝の行われる天皇杯(2008年度天皇杯)の優勝クラブがACL2009への参加権を得る。
正直、年をまたいで大会が行われるためわかりづらかった参加権だったので新方式は分かりやすくな ったと思っている。

ACL2009からの新大会方式で好感が持てるのはグループリーグ2位までのノックアウトステー ジ参加。
グループリーグ1位のみの突破は緊張感とシビアさがあったがノックアウトステージに進む価値のあ るクラブの進出を阻んでしまうし、全力でグループリーグを戦わなくてはならなくなるため国内リー グとあわせた過密日程の前に沈んで行ったクラブも多々あった。
しかし新方式ではある程度の戦力の温存ができるようになり、見てる側にとっても2位争いの面白さ を得ることができる。

反対に新方式で評価できない点は、決勝戦の一発勝負。
UEFAチャンピオンズリーグに倣ったのだろうが、アジアとヨーロッパのサッカー人気の規模に目 を向けていない。開催地を選定するときに考慮するとは思うが、客の入らない決勝戦もおこりえる。 決勝一発勝負はもっとACLが権威を持ってからでいいのではないか。それにUEFA CLと比べ て圧倒的に優勝賞金が少ないのにホームでのスタジアム収入がなくなるのも考え物ではないだろうか。 個人的にサッカーの大会方式の中でアウェーゴール方式はもっとも素晴らしい発明だと考えているの でその点でも決勝一発勝負に賛同できない。

成功例としてUEFA CLに学ぶのはいいことだと思うが、全てを成功例と同じにするのはただの 模倣。独自色があってこそACLの権威もあがる。南米ナンバーワンクラブを決めるコパ・リベルタ ドーレスは決勝戦はホームアンドアウェーだ(アウェーゴール方式ではないが)。